消費エネルギーが多いのは、速さか時間か?

 管理栄養士のmarinaです。保健指導では、ゆっくり歩くよりも早く歩いた方が動く筋肉が増えるため、消費エネルギーが増えるとお伝えしています。これは歩くよりも走る方が、強度が強くなるからです。何となくこの辺はイメージ頂けるかと思います。さて、ここで質問を頂きました。走るならスピードが速い方がエネルギー消費が増えるのか。疑問に答えられず、調べる事となりました。

 答えはこの計算にあるようです。身体を動かすことで消費されるエネルギーは以下の計算式で求めます。

消費エネルギー(kcal) =1.05×エクササイズ(METs・時)×体重(kg)

 ここに出てくるエクササイズは、Metsという活動強度の数値と時間を掛け合わせたものです。1時間は1を掛けますが、2時間は2、30分は0.5という風になります。Metsは活動強度を表す数値で、大きいと活動強度が強いモノです。数値はホームページに色々載っているため割愛します。
 例えば、体重50kgの人間が時速4.0㎞/時(3.0Mets)で30分歩くと・・ 消費エネルギー(kcal)=1.05×(3.0×0.5)×50=78.75 でした。

 では、当初の疑問に進みます。①体重50kgの人間が時速8.0㎞/時(8.3Mets)で30分ランニングするのと、②体重50kgの人間が時速10.8㎞/時(10.5Mets)で30分ランニングするのはどうでしょうか・・・

 ①消費エネルギー(kcal)=1.05×(8.3×0.5)×50=217.875
 ②消費エネルギー(kcal)=1.05×(10.5×0.5)×50=275.625

ただ単純に見ると、そりゃ②の方がエネルギー消費が多くなりますが・・・例えば3kmの区間で見たらどうなるでしょうか。①は3㎞を走るのに21分かかります。②は16分です。これを踏まえて計算すると。

 ①消費エネルギー(kcal)=1.05×(8.3×0.35)×50=152.5125
 ②消費エネルギー(kcal)=1.05×(10.5×0.26)×50=143.325

 と、いうことで・・・私の計算が間違っていなければですが( ;∀;) 速く走っても、エネルギー消費は少なくなるという結論でした。
 ちなみに、冒頭でお示しした時速4.0㎞/時で同じく3㎞を歩くと45分かかるようです。この場合は

 消費エネルギー(kcal)=1.05×(4.0×0.75)×50=157.5 でした。あれ、同じ距離なら走るよりエネルギー消費が多い・・。この考えでいくと、大事なことは実施する時間という事でしょうか。まあ、色々考えるとややこしいですが、ある程度の時間(30分ぐらい)は運動をしないと脂肪が燃えるフェーズに入らないとか、色々条件があるとは思いますが。
 どちらにせよ、エネルギーを消費するにはある程度の時間が必要ですよね。歩きでも時間が掛かればエネルギー消費が大きいですが、走ることで短時間でも消費エネルギーが作れます。走れる人は時間をかけて走ることで消費エネルギーを増やせます。

 余談ですが、スニーカーで歩くのとヒールで歩くのと、どちらが消費エネルギーが増えるか学生時代に実験しました。結果は、ヒールで歩く方が消費エネルギーが増えました。使う筋肉が増えるからと考察したような気がしますが、同じ歩くでも履物を変えるだけでも消費エネルギーが増えるとは面白いですね。そでれはこの辺で(´っ・ω・)っ