動脈硬化指数について⑥
管理栄養士のmarinaです。引き続き動脈硬化についての検査方法を調べてみました。長くなりましたが、今回が最後です。先日挙げた内容は以下の検査方法です。
●体の外から動脈硬化を観察する:頸動脈(けいどうみゃく)エコー、眼底検査、CT、MRI など
●カテーテルを血管に挿入して行う:冠動脈造影、血管内超音波、OCT など
●血流や血管の硬さを調べる:ABI baPWV など
ABI検査(腕と足の血圧比)やbaPWV検査(脈の速度)は、血流や血管の硬さを調べるものです。どちらもベッドに横になり両腕と両足首に計測用のベルトを着けて行います。
ABI検査はAnkle – Brachial Indexの略で、上腕の血圧と足首の血圧を測定しその比を計算します。計算式は「ABI=足首の上の血圧÷上腕の上の血圧」です。正常な場合、足の血圧は上腕よりも「高く」なります。足首の血圧が低く、ABIの値が正常の比より低い場合、脚の血管が狭く血流が悪くなっていると考えられ、下肢の末梢動脈疾患(閉塞性動脈硬化症、足梗塞)という病気である可能性があります。
baPWV検査はba Pulse Wave Velocityの略で、検査血管の硬さを調べる検査で、脈波伝播速度検査(みゃくはでんぱそくどけんさ)とも言われます。具体的には、脈が心臓から腕や足まで伝わっていく速度を調べます。健康な軟らかい血管では脈がゆっくりと伝わり、動脈硬化が進んだ硬い血管では脈が速く伝わります。正常より速く伝わる場合、全身の血管が硬くなっていると考えられ、baPWV検査の結果が速ければ速いほど、脳卒中や心筋梗塞などの心血管病を起こす危険性が高いことがわかっています。この検査によって血管の老化がどれくらい進んでいるのかを示す「血管年齢」を割り出すことができます。
ABI検査、baPWV検査は循環器内科や血管外科、心臓血管外科で受けることができます。人間ドックの際にオプションで選ぶことも可能です。
こちらに記載がありませんでしたが、動脈硬化を早い段階で捉えることができるFMD検査があります。FMDはFlow Mediated Dilationの略で、血流依存性血管拡張反応と言います。動脈硬化の初期は、血管の一番内側にある内膜の内皮細胞が傷つくことから始まりますが、この内皮細胞の機能が正常かどうかを調べます。検査方法は、安静時の血管の直径を測定後、腕の動脈を圧迫して、5分程度血流を止め、圧迫を解除して血流を再開したときの血管の直径の変化を超音波で測定します。
検査方法が沢山あって、人間ドッグでも調べられるということが分かったので、今後の保健指導時に伝えられるようにしたいです。( ˘ω˘ )それではこの辺で!
参考:NHKトップ>NHK健康トップ>病名・症状から探す>動脈硬化>動脈硬化のセルフチェック>動脈硬化をチェック・診断する検査(健康診断・最新の検査方法)
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