疾患管理シリーズ『蜂窩織炎』⑥

 管理栄養士のmarinaです。蜂窩織炎の治療について、蜂窩織炎での治療葉主に3つで①抗菌薬、②蜂窩織炎を悪化させる病気の治療、③膿瘍があれば排膿になります。

 ①の抗菌薬について、治療を迅速に行えば細菌感染が急速に広がって血液や内臓にまで拡大するのを阻止することができます。レンサ球菌とブドウ球菌の両方に有効な抗菌薬を使用します。
 皮膚の下から膿が排出されたり、その他の重篤な症状がみられたりした場合など、メチシリン耐性黄色ブドウ球菌(MRSA)の感染が疑われる場合の治療では、抗菌薬を経口で使用することがあります。蜂窩織炎が軽度の場合も抗菌薬を経口で使用することがあります。

 ②の病気の治療について、蜂窩織炎が急速に広がっている場合、高熱がみられる場合、重篤な感染を示す他の徴候がみられる場合は、入院の上、抗菌薬を静脈内注射で使用します。また、感染した部分を動かさないようにして高い位置に保つことで、腫れを軽減するようにします。冷たく濡らしたドレッシング材を感染部にあてがうと、不快感を和らげるのに役立ちます。蜂窩織炎のリスクを高める病気(みずむしなど)があれば、その治療を行います。

 通常は抗菌薬療法を数日間行えば、蜂窩織炎の症状は治まります。しかし、改善する前に症状がいったん悪化することも多く、これはおそらく、抗菌薬の作用によって細菌が死ぬ過程で、細菌から組織に損傷を与える物質が放出されるためです。このような物質の放出が起きると、細菌が死んでいても、体は反応を続けます。たとえ症状が早めに治まった場合でも、抗菌薬による治療は10日間以上継続します。

 ③最後は、膿瘍があれば切開して膿を排出します。非常にシンプルですね、素晴らしい(笑)

参考:MSDマニュアル 家庭版/蜂窩織炎