疾患管理シリーズ『蜂窩織炎』①

 管理栄養士のmarinaです。保健指導の中でたまに聞く『蜂窩織炎』について解説します。蜂窩織炎は、皮膚とそのすぐ下の組織に生じる、広がりやすい細菌感染症です。

 原因になる細菌には多くの種類がありますが、最も一般的なものはレンサ球菌とブドウ球菌です。レンサ球菌は、感染範囲を抑えようとする組織の働きを妨げる酵素を作り出すため、皮膚の中で急速に広がっていきます。ブドウ球菌を原因とする蜂窩織炎は通常、開放創や膿瘍(内部に膿がたまった空洞)の周りに生じます。ほかにも多くの細菌が蜂窩織炎の原因になります。最近、かつては有効だった抗菌薬に対して耐性を示すブドウ球菌が蜂窩織炎の原因菌として増えてきています。そのような菌はメチシリン耐性黄色ブドウ球菌(MRSA)と呼ばれています。病院や介護施設で菌にさらされた人は、他の菌株とは抗菌薬の効き方が異なる特定の菌株のMRSAに感染するのが一般的です。

参考:MSDマニュアル 家庭版/蜂窩織炎