全身性エリトマトーデス(SLE)の治療方法について

 管理栄養士のmarinaです。前回は、全身性エリトマトーデスの症状について書きました。今回は、その治療方法について追記します。

 病気には様々な段階があるため、症状や臓器障害の種類や程度、合併症など、全身の状態を考慮して治療方針が決められます。使用する薬剤はステロイド、非ステロイド抗炎症薬(NSAIDs:エヌセイズ)、免疫抑制剤、免疫調整剤(抗マラリア薬)、生物学的製剤が代表的なようです。

 軽傷でも重症でも幅広く使われ、SLE治療の中心となる『ステロイド』をピックアップします。
 ステロイドは、グルココルチコイドや副腎皮質ホルモン剤とも呼ばれ、もともと体内の副腎という臓器から分泌されている副腎皮質ホルモンの働きに似せて合成された治療薬です。体内の副腎皮質ホルモンと同様に、炎症や免疫反応を強力に抑える働きを持っています。 

 ステロイドによる治療では、様々な副作用がみられますが、比較的よくみられるのは体重増加・ムーンフェイス(顔が丸くふくれる)、感染症、糖尿病、骨粗鬆症、高血圧、脂質異常症、不安・抑うつ・不眠といった精神症状などです。まれに白内障や緑内障を引き起こすこともあります。ステロイドの服用が長期間に及ぶ場合、副作用を予防したり軽減する薬剤を併用することがあります。

 ステロイドは、症状や臓器障害が改善すれば徐々に減量しますが、ステロイドを急にやめると症状や臓器障害が悪化(再燃)して、再び使用量を増やして治療をやり直すことになるかもしれません。また、ステロイドの服用中は体内の副腎皮質ホルモンがほとんど分泌されない状態になっているため、ステロイドを急にやめることで体内の副腎皮質ホルモンが不足し、めまいや吐き気、ショック状態などが起こることもあります。

 ステロイドの減量は、個々の患者さんの状態を確認しながら医師が慎重に行う必要があります。病状が良くなったと感じても、自己判断でステロイドをやめないことが大切です。それではまたお会いしましょう(´っ・ω・)っ

参考
・SLE.jp Tips for copong eith Lupus