全身性エリトマトーデス(SLE)を解説します
管理栄養士のmarinaです。疾患の勉強をしています。今回は、全身性エリトマトーデスについてです。実は、大学時代に同級生が発症したことで、名前は聞いたことがありました。国家試験にもでたはず・・ですが、あまり深くは知らなかったので、改めて深堀してみます。
英語では、Systemic Lupus Erythematosusと言い、その頭文字をとってSLEとも呼ばれるそうです。Systemicは全身の、という意味でこの病気が全身のさまざまな場所や臓器に症状を引き起こすということを指しています。Lupus Erythematosusとは、皮膚に出来る発疹が狼に噛まれた痕のような赤い紅斑であることから、こう名付けられました(lupus、ループス:ラテン語で狼の意味)。その原因は、今のところわかっておらず、研究途中のようです。
どのような症状が出るかと言うと・・・
『全身』発熱、全身倦怠感、易疲労感、食欲不振など。
『関節症状』手や指が腫れて痛い関節炎、肘や膝の大きな関節や手の指など、日によって場所が変わる移動性の関節炎。
『皮膚症状』蝶型紅斑(バタフライ・ラッシュ)と呼ばれる頬に出来る赤い発疹で蝶が羽を広げている形、ディスコイド疹と呼ばれ顔面、耳介、頭部、関節背面などに出来る一つ一つが丸いディスク状(レコード盤様)の発疹。
『日光過敏症』強い紫外線にあたった後に、皮膚に赤い発疹、水膨れ、あるいは熱が出る。
『口内炎』口の奥、頬にあたる部位や上顎側に出来る粘膜面がへこんだもの。
『脱毛』円形脱毛のように、部分的に髪の毛が抜けたり、全体の髪の量が減ったりすることもある。
『臓器障害』特に腎臓(ループス腎炎)、その他は神経精神症状、心病変、肺病変、消化器病変、血液異常など。
ということで、かなり症状の種類が多いことが分かりました。この中に表記されている症状全てが出る訳ではなく、一部が出現するようです。
治療方法は、病気の重症度によって大きく異なるようです。関節炎や皮膚症状だけの人は、薬剤によるコントロールを行うことで健康な方とほとんど変わらない普通の生活が出来ますが、腎臓障害、中枢神経病変、心臓病変、肺病変、 血管炎 などの臓器障害がある場合には、多種類の薬剤を大量に長期にわたって使わなければならないようです。それではまたお会いしましょう(´っ・ω・)っ
参考:
・公益財団法人 難病医学研究財団/難病情報センター 全身性エリテマトーデス(SLE)(指定難病49)
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