カフェインと健康の関係について解説します
管理栄養士のmarinaです。暖かい1日でしたね、久々に外出して歩いたら疲労を感じています。普段だったら、通勤で動いていた距離だったのですが・・通勤での活動量が意外と日々の体重管理にも影響していましたね。
今日は、カフェインの話題についてです。数年前、エナジードリンクを多量に飲んだことによってカフェインの過剰摂取による中毒死と診断された方がニュースになっていました。カフェインに限らずですが、栄養素はそれ自体を過剰に摂れば効果がアップするものではありませんので、適量の摂取が望ましいです。
そもそも、カフェインとは・・・神経を鎮静させる作用を持つアデノシンという物質と化学構造が似ています。アデノシンが本来結合する場所(アデノシン受容体)にとりついてアデノシンの働きを阻害することにより神経を興奮させます。つまり、本来は沈静させるはずの働きを妨害するってことが起きるんですね。
コーヒーは、適切に摂取すれば、がんを抑えるなど、死亡リスクが減少する効果があるという科学的データも知られています。その一方で、カフェインを過剰に摂取すると、めまい、心拍数の増加、興奮、不安、震え、不眠が起こります。消化器管の刺激により下痢や吐き気、嘔吐を誘発することもあります。よく聞くのはコーヒーが眠気覚ましになるっていうのは有名ですよね。ですが、その他の心拍数や不安等の症状は想像していませんでした。
長期的な作用としては、人によってはカフェインの摂取によって高血圧リスクが高くなる可能性があること、妊婦が高濃度のカフェインを摂取した場合に、胎児の発育を阻害(低体重)する可能性が報告されています。と、ここまでは農林水産省のホームページ情報を参考に記載したのですが・・・実は、日本でも、世界でも、ここまでにしてください!という基準は設定されていませんでした。厚生労働省のホームページを見ても、海外ではこのぐらいで~という呼びかけ内容が載っていましたが、日本人と体格も違いますし、基準ではなく呼びかけですし・・あくまでも、参考程度っていう事でしょうかね。
<各国の内容>
世界保健機関(WHO)は、2001年にカフェインの胎児への影響はまだ確定はしていないとしつつも、お茶、ココア、コーラタイプの飲料はほぼ同程度のカフェインを含んでおり、またコーヒーはその約2倍のカフェインを含んでいることから、妊婦に対し、コーヒーを1日3から4杯までにすることを呼びかけています。
英国食品基準庁(FSA)では、2008年に妊婦がカフェインを取り過ぎることにより、出生時が低体重となり、将来の健康リスクが高くなる可能性があるとして、妊娠した女性に対して、1日当たりのカフェイン摂取量を、WHOよりも厳しい200mg(コーヒーをマグカップで2杯程度)に制限するよう求めています。
カナダ保健省(HC)では、2010年に1日あたりのカフェイン摂取量として、健康な成人で400 mg(コーヒーをマグカップで約3杯)まで、カフェインの影響がより大きい妊婦や授乳中、あるいは妊娠を予定している女性は300mg(コーヒーをマグカップで約2杯)までとされています。
食品名 | カフェイン濃度 |
玉露 | 160 mg/100 ml |
コーヒー(浸出液) | 60 mg/100 ml |
インスタントコーヒー(顆粒製品) | 57 mg/100 ml |
紅茶 (浸出液) | 30 mg/100 ml |
せん茶 (浸出液) | 20 mg/100 ml |
ウーロン茶 (浸出液) | 20 mg/100 ml |
ほうじ茶(浸出液) | 20 mg/100 mL |
玄米茶(浸出液) | 10 mg/100 mL |
ココア(ピュアココア5g) | 10 mg/100 mL |
カフェインを多く添加した清涼飲料水 | 32 ~300 mg/100 mL |
それでは、この辺で!またお会いしましょう~( ˘ω˘ )
参考
・農林水産省 カフェインの過剰摂取について
・厚生労働省 食品に含まれるカフェインの過剰摂取についてQ&A ~カフェインの過剰摂取に注意しましょう~
・食品安全委員会 食品中のカフェイン(ファクトシート)
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