アルコールと血糖値の関係について解説します
みなさん、こんばんは。管理栄養士のmarinaです。今週から会社に通勤していますが、コロナウィルスの影響でいまは電車が比較的空いています。これが、学生や社会人が増えると思うと・・・なんとまあ大変です。早く引っ越しを検討したく思っています・・・。
▼さて、今回は昨日に引き続き糖尿病のお話です。アルコールとの関係を取り上げます。何故かというと、ふと『アルコールが血糖値を下げる理由ってなんだっけ』『血糖値をあげにくいお酒なら飲める、、けど影響出る理由ってなんだっけ』と、思ったからです。
▼参考にしたサイト
厚生労働省 生活習慣病予防のための健康情報サイト
https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/alcohol/a-01-013.html
▼ 結論から言えば、アルコールそのもの作用やアルコールの代謝に伴って血糖値に影響を与えます。適度な飲酒は糖尿病の発病に抑制的に働く可能性が推定されていますが、多量の飲酒は糖尿病発症の危険性を高め、特に肝障害や膵障害が加わるとコントロールが難しい糖尿病になります。血糖コントロールを乱す原因は、酒よりもそのツマミの影響も大きいようです。
▼原因は明らかではありませんが、適度な飲酒は糖尿病の発症を抑制し、多量飲酒は発症を促進する可能性が、20の大規模なコホート研究のメタ解析で報告されています。
▼通常身体に取り込まれた糖質は、ブドウ糖に分解されて吸収された後に肝臓まで運ばれます。そして血液で全身に運ばれてエネルギー源となり、余ったブドウ糖は再び肝臓に運ばれて肝臓に貯蔵( グリコーゲンとして)されます。
この糖代謝に重要な役割を担うのが、膵臓から分泌される『インスリン 』です。インスリン分泌が不足すると、ブドウ糖がエネルギー源として利用したり肝臓に貯蔵しにくく、血液内にブドウ糖が基準値以上の高濃度で流れることになります。(糖尿病予備軍の耐糖能異常や糖尿病の状態です)
▼アルコールによって膵臓に炎症が起きると(アルコール性膵炎)、膵β細胞が破壊され( インスリン分泌が低下 )糖尿病を併発します。この膵性糖尿病では、血糖値を下げるインスリンとバランスをとって血糖値を上げるグルカゴン(膵α細胞に含まれている)の膵分泌も低下するので、血糖値が変動して低血糖も起こしやすく、血糖コントロールが不安定な糖尿病になります。
▼またアルコール性肝硬変では、ブドウ糖を肝臓に貯蔵しにくくなることに加え、肝臓で分解されるインスリンが過剰に残って慢性高インスリン血症となり、その結果インスリンの効き目が低下するインスリン抵抗性も加わって肝性糖尿病が発症します。しかし膵炎や肝硬変のない常習飲酒者でも耐糖能異常をしばしば認めます。つまり、肝臓の機能が低下すると・・栄養の貯蔵(グリコーゲン)ができないことと、血糖値を下げるインスリンが分解されない(必要量以上に残る)ので、血糖値が乱れる≒コントロール不能になるってことでしょうか。
▼アルコールは肝臓内でのグリコーゲンからブドウ糖への分解を亢進させ、飲酒後に一過性に血糖値を上昇させます。また飲酒時の脂質やたんぱく質の多い酒肴によるカロリー摂取過多が高血糖を助長します。 ということで、適量以上のアルコール(種類ではなく、アルコール量によって)は高血糖を招くということで良いでしょうか。
▼食事を十分にとらずに飲酒すると アルコールは低血糖発作を引き起こすことがあります。それは食事量低下のため肝臓のグリコーゲン(ブドウ糖の貯蔵)が減少しており、さらにアルコールの代謝に伴う種々の代謝経路の変化により糖新生(グリコーゲン以外から糖を産生する)が抑制されるためです。
またインスリン注射や経口血糖降下剤などでの薬物治療中には、さらに低血糖を来たしやすいので、食事をとらずに飲酒することは厳禁です。ツマミなら低脂肪で高たんぱく質なもの(豆腐・枝豆・イワシ・鶏肉など)が良いでしょう。
▼アルコールはアルコールそのものの作用の他に、アルコールの代謝・肝障害・膵障害・飲酒時の食事摂取量の乱れなどの様々な因子を介して、糖尿病コントロールを困難にさせます。食事療法や運動療法で血糖コントロールが良好で合併症がないなどの場合には、適度な飲酒(男性で純エタノール換算1日20g以下・女性でその半量以下)はしても良いとされています。
以上です!とってもややこしい所ですが・・まとめると、飲酒は適量以上はオススメ出来かねます。高血糖、低血糖の原因になるのであくまでも適量をたしなむ程度に留めておきましょう!ではまた今度お会いしましょう( ˘ω˘ )
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