食事で消費するエネルギー(DIT:食事誘発性熱産生)を解説します

2020-04-15

 皆さん、こんばんは。管理栄養士のmarinaです。本日は、ひたすら研修を受けていました。研修が終われば、保健指導にバンバン行く予定です(; ・`д・´) が、コロナウィルスの関係で少し先延ばしになるかもしれない・・・。

高カロリーな朝食を摂るとカロリーを「2倍消費する」ことが発覚

https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20200229-00010003-bazaar-life

▼本日は、このニュースを解説です。ネットニュースで見ましたが、専門用語で言うなら食事誘発性熱産生(DIT:  Diet Induced Thermogenesis  )の話しですね。 食事をした後、安静にしていても代謝量が増大することを言います。要するに、食事する事によって口を動かしたり、消化管の動きが活発になる等でエネルギーを消費しています。 身体が暖かくなることもDITです。
 これは、たんぱく質のみを摂取したときは摂取エネルギーの約30%、糖質のみの場合は約6%、脂質のみの場合は約4%で、圧倒的にたんぱく質の消費エネルギーが高いです。通常の食事はこれら栄養素が混合された内容になるので、DITは約10%程度になります。

▼ 加齢や運動不足で筋肉が衰えると、基礎代謝が低下するだけでなく食事誘発性熱産生も低下します。逆にトレーニングで筋肉を増やすと食事誘発性熱産生は高くなるとされています。また食事の摂り方としてよく噛まずに飲み込んだり、流動食だけを摂る場合に比べると、よく噛んで食べる方が食事誘発性熱産生は高くなるといわれています。

▼このニュースでは、朝食のエネルギー量が多いとDITも上がるとのこと。ただ、コメント欄にもあるように、エネルギー消費(DIT)が多くなっても摂取エネルギーが多い事には注意が必要です。また、この内容ではエネルギーのみの記載ですが、どのような食事内容だったのかを明らかにしていません(軽い朝食とヘビーなディナーと書いてあります)。あと被験者の体格(筋肉量が多いのか、年齢は若いのか等)も不明なので、日本人がそっくりそのまま当てはまるのか、は少々疑問を持ちます。

▼そうは言っても、夕食の食事量は時間栄養学の観点からも脂肪蓄積に繋がりやすいため、朝は多くて夜は少ないという食べ方は推奨できるとは思っています。DITの考え方は、とても面白いと思います。ちなみに、このDITを測定するのは、とても慎重に実験する必要があります。

▼私も大学時代に被験者になりましたが、酸素カプセルのような囲いの中に入って、食事をします。そうすると、食事の前後で呼吸に含まれる酸素と二酸化炭素の割合が変化します。その割合から消費エネルギーを割り出します。DITは、寝てしまうと安静時エネルギーと言って、DITとは別の消費エネルギーに区分されます。被験者としては、食べて眠いところで寝ないのは・・つらいですね。DITを測定するために動いてはいけないので、本当にぼーっとしている状態を保たなければいけません。そんな事を思い出しました(笑)


では、また今度お会いしましょう( ˘ω˘ )

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