糖尿病と歯周病の意外な関係を解説します
みなさん、こんばんは。管理栄養士のmarinaです。本日は、上州穂高山と言って、群馬県の沼田ICから約30分、川場スキー場からリフトを使って頂上近くまで歩いてきました。天気は良かったのですが寒い!風が強い!道幅が狭い!超怖い!と、自分との闘いでした・・・結局、無理せず引き返してきましたが、中々スリリングな経験でした。登山届を出して、ココヘリという遭難時に救助場所が分かるようなタグを購入して出かけましたが、たしかに必要だなと思いました。
さて、糖尿病の方と歯周病の関係は意外と深い( 歯周病は糖尿病の6番目の合併症と言われています)のですが、ご存じでしたでしょうか。今日は、このテーマでざっくり書いてみます。
そもそも、歯周病とは
歯と歯肉の間にある浅い溝(歯肉溝)に、歯周病細菌が感染して発症する感染症なのです。歯周病には進行が歯肉に留まっている<歯肉炎>と、歯を支えている歯槽骨(しそうこつ)まで達した<歯周炎>があります。30歳以上の約8割の人に歯周病(歯肉炎、歯周炎)があり、生活習慣病もしくは国民病とさえ言われています。また、歯周病は歯を失う原因の第1位でもあります。
虫歯は、歯がしみる、痛みが出るなど症状があるため、すぐに歯科を受診することが多いことでしょう。一方、歯周病は進行してから初めて症状が出てくる病気です。歯茎から出血した、膿が出た、歯がぐらぐらする、歯の根が見えてきたなどに気付いて初めて、歯科医院を受診することが多いのが現状です。そのような状態になって受診すると、歯を抜かざるを得ないことも少なくありません。
歯周病が与える、糖尿病への影響とは
結論から言えば、歯周病が重症化すると血糖のコントロールが悪くなります。
歯周病は歯周病細菌による感染症なので、慢性的で、軽微な、炎症が持続している、ことになります 歯周病細菌から毒素が産生され、歯周組織を破壊する一方で、この細菌を攻撃するために、体の中でも炎症性の物質が常に産生されていることになります。その結果、これらの歯周病細菌や炎症性物質が血液や唾液に混ざって全身をかけめぐることになります。
この歯周病菌によって生まれる毒素が、血糖値を下げるインスリンの働きの邪魔(インスリン抵抗性)をします。その結果、血糖値のコントロールが悪くなってしまいます。
糖尿病が与える、歯周病への影響とは
逆もしかりで、血糖のコントロールが悪いと、歯周病のリスクが上がります。
糖尿病で高血糖状態が続くと、体の中の防御反応( 細菌に対する抵抗力や組織の修復力)が低下して、感染症にかかりやすくなるといわれています。歯周病( 細菌感染を原因とする)も同様で、糖尿病の人は健康な人に比べて2倍以上歯周病にかかるリスクが高まると言われています。 血糖のコントロールが悪いと歯周病がより重症化( ハグキの血管が傷んでしまうことで、進行)しやすいとも。
歯周病の影響を最も受けやすい糖尿病は、体格指数(体重[kg]÷身長[m]2)が25 kg/m2前後のややぽっちゃりした重度歯周病を合併した2型糖尿病 だそうです。体重管理にも気を付けたいですね。
血糖値が良くなると・・
血糖値と糖尿病の関係は密接で、歯周病の治療を行うと血糖値コントロールが良くなるという研究結果も多数報告されています。ここでの歯周病の治療とは、患者さん自身でのブラッシング、歯石を取り除くことです。こうした地道な努力で、炎症の原因をコントロールすれば血糖値コントロールも可能です。
歯周病が悪化すると
歯周病の進行で歯がぐらぐらしたり、歯を失ったりすると、食物繊維やミネラルなどの摂取が少なく、逆に摂り過ぎに注意が必要な炭水化物やコレステロールの摂取が多くなるため、栄養バランスが崩れる傾向もあります。
確かに、歯に異常を感じた時には柔らかいお粥やパン、卵料理等が食べやすいので栄養バランスに偏りが出てきやすい事も納得ですね。
そのために、かかりつけを持ちましょう
炎症がまだ歯肉にとどまっている歯肉炎であれば、ほとんどの場合に正しい歯磨きや歯石除去で治ります。糖尿病そのものの管理の一環として歯周病を治療と一緒に、再発予防に努めることが大事です。そのためには、かかりつけ歯科医を定期受診することをお勧めします。歯周病予防も心がけて、症状がなくても年に3回以上、歯科検診を受けることが望ましいとされています。
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