ノンシュガーのど飴にエネルギーがあるのは何故?
管理栄養士のmairnaです。みなさん、いかがお過ごしですか?私は花粉症にやられてしまい、遂に薬のお世話になっています。旅行記の更新をしようと頑張ってみましたが、中々進まず脱線です。
スーパーやコンビニで飴を買おうと思った時『ノンシュガー』『シュガーレス』や『糖類0』と表記している商品を見たことありませんか?実は、これら商品のエネルギーは 『 0kcal 』ではありません。そのため、食事の間に食べれば血糖値が上がりますし、食べ過ぎれば無意識にエネルギー量を摂取してしまします。
ノンシュガー/シュガーレス/糖類0≠エネルギー0kcal
栄養成分表示は・・
< 栄養成分表示( 1粒4.3g当たり ) >
・エネルギー 9.3kcal
・たんぱく質 0g
・脂質 0g
・炭水化物 4.26g
- 糖類 0g
・食塩相当量 0.003g
・ビタミンC 20.0mg
ここでは『糖類0』 が強調されています。炭水化物の話はシンプルに伝えるのが難しいのですが、炭水化物は大きく分けて、糖質と食物繊維をまとめたモノを言います。さらに、糖質の中で糖類(単糖類、二糖類)を特別に分類しています。《糖類以外の ”糖質” 》は、でんぷんや糖アルコールと言って体の中でゆっくり分解される性質があります。 一方で《 糖類 》 は、ブドウ糖や砂糖と言って体の中に入ると速攻で分解されて血糖値を上昇させる性質があります。
これを踏まえてみてみると・・糖類0なので、砂糖が含まれていないことが分かります。還元水飴の原材料は穀類や芋類などに含まれるでんぷん(糖類以外の”糖質”に含まれます)です。 合成甘味料のスクラロースも”糖質”の分類のため、糖類は0になります。
炭水化物=食物繊維 + 糖質
糖質=糖質(多糖類、糖アルコール、合成甘味料) + 糖類(単糖類、二糖類)
原材料を見てみると・・
<ノンシュガーのど飴の原材料表示>
還元水飴(国内製造)、濃縮果汁(いちご、りんご、ぶどう、レモン)、果実エキス、ハーブエキス/酸味料、ビタミンC、香料、ソルビトール、着色料(紅花黄、野菜色素、クチナシ、カラメル)、甘味料(スクラロース)、乳化剤(大豆由来)
これらを見ると、確かに砂糖(シュガー)が含まれていません。甘味の材料は還元水飴と甘味料(スクラロース)のようです。
それと、パッケージに記載できるキーワードで『○○ゼロ』『ノン○○』と含まない旨を強調された栄養表示をする場合はクリアすべき基準があります。今回の”糖類”の場合は、食品100g当たり0.5g以下(100mlあたり0.5g以下)でこのような表示が可能です。
文字だけ見ると難しく見えますね・・ただ、上記のような栄養成分表示を見ると、エネルギーが入っている事が分かります(他の飴よりも少ないとは思いますが)。迷ったら商品のパッケージを確認してみましょう。今回の場合は、1粒で9.3kcalなので・・10粒も食べれば100kcal位になりますね。この花粉症の季節なので、喉を潤すために沢山食べてしまいがちですが、意外とエネルギーが多くなっているかもしれません。
ラカントがあります
もし、飴がどうしても食べたいと思ったら、サラヤ株式会社のラカントシリーズがオススメです。現時点の日本国内で販売されている商品の中で、エネルギー0kcalの飴はこの商品のみです。ドラックストアや販売敷地が広いスーパーに置いている事が多いです。味もバリエーションあるので、ぜひお試しください( ˘ω˘ )
<ラカント 原材料名>
エリスリトール、ポリデキストロース、酸味料、増粘剤(キサンタンガム)、香料、甘味料(ラカンカ抽出物)
おまけ。虫歯になるかどうか
蛇足ですが、虫歯になる仕組みは口の中に生息している原因菌(ミュータンス菌)が、歯に残った糖を分解してプラーク(歯垢)を作ります。そして、ミュータンス菌が増殖、糖を発酵させて酸を生成し、高濃度の酸(pH 5.5以下) で歯のエナメル質を溶かすことで虫歯になるようです。
と、いうことで。このような還元水あめや、エリスリトールといった糖アルコール(糖質)、甘味料のスクラロースはミュータンス菌が分解するかというと・・答えはNOとのこと。糖アルコール( 還元水飴やエリスリトール、有名どころのキシリトール等)は口の中の細菌の餌にならない性質を持つそうです。
虫歯をつくる糖の御三家は、ショ糖(砂糖)、果糖(果物に含まれる)、異性化糖(果糖ブドウ糖液等:清涼飲料水など) ですが、細かくみると水飴は虫歯になりやすい種類に入ります。どうやら表示をよく見比べる必要がありそうです・・。
ではまたお会いしましょう~!
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